ギャラリー絵画や工芸などさまざまなジャンルの企画展を開催しています。最大壁面40m、外光を取り入れることが可能な空間となっています。アーティストの方と協力しながらも催すアートの数々をお楽しみください。貸展空間としてもご利用いただけます。 (貸スペースのご案内はこちら)今後のスケジュール |
■貸スペースによるイベント※お問合せ先は各主催団体になります。 |
■岩崎ミュージアム第506回企画展
小川 敦生展 raindrop impressions
2024年8月28日(水)~9月23日(月・祝) ※最終日16:00終了
突然の暗転から天候が崩れることを予知する間も与えず、雲から地へと線引く雨滴。
景色が雨線でシュレッダー掛けたかのように散り散りになる。
飛沫受けた腕や掌は、無数の拡大鏡で装ったかに、輪郭が暈けてゆく。
眼にしているはずの事象は、家に帰り着く頃には、夢と区別がつかないほどに滲んでいるだろう。
だからだ、ここで傘を開くというのは、いま目にしていることが崩れていくのを止めたいという志向。
通りに幾つもの認識の待避地が並ぶ。
そうして、この見通しの利かない状況だからこそ、訪れるものがある。
「わたし」を「わたしたちの既知である場所」から引き離す透明なドームの下、金属の輻の間に雨滴が描く模様を見上げよ。
それがその時わたしにのみ伝えられた世界からの問いなのだから。
小川敦生(おがわ あつお)
1969年、神奈川県生まれ、在住。
手で描くことに拘りながら、線の自律に任せるように反復、展開、時に逸脱しながら描き編むドローイング作家。場の特性に応じて、紙、ガラス、壁面など様々な素材の上にペンやニードル、チョークで描かれた一本の線は、紋様めいた繊細なかたちを構築し静謐な空気を生む。2005年、上野の森美術館「VOCA 2005」、2010年、東京都現代美術館「MOTアニュアル」、2023年、茅ヶ崎市美術「渉るあいだに佇む-美術館があるということ」などに参加。
https://linedrawing.wixsite.com/atsuoogawa
■岩崎ミュージアム第507回企画展
齋藤眞紀展 ~長き旅路の航路標識をあなたへ~
2024年9月26日(木)〜10月14日(月・祝) ※最終日16:00終了
1998年から1999年にかけて、ほぼ4か月おきに4箇所の画廊で個展を開いたことがあった。その時のタイトルが『長き旅路の航路標識を読者へ』。
「絵画とは線と筆触が織りなすリズム。色でもない形でもない、まして意味などでもない。」と若気の至りで気負ってみたが、未熟さ故に表現されたものは程遠かった。
それから26年が経った。26年間ずっと同じことを考えている。進歩がないと言えば進歩がない。早熟だったと言えばそうなのかも知れない。ただしこの26年の月日が無駄な営為で無かったと自分なりに胸が張れればそれで良い。
世の中が過剰な意味(情報)にまみれたいま、改めて絵画とは何かを問い直したいと思う。
■プロフィール
1964年 川崎市に生まれる。和光大学人文学部芸術学科卒業。
絵画、立体造形、版画やスケッチと、抽象具象を問わず様々なジャンルで制作活動を行っている。
美術館や各自治体の教育文化プログラムなどでのワークショップや出前造形教室の講師を数多くつとめた。
スケッチ40%を主催。
岩崎ミュージアムでの初個展は1994年だった。
◆秋のワークショップ2024◆
『誰でもエッシャーになれる!~騙し絵の世界~』
正四面体から偶然できる面白い形の型紙を使って、図像が繰り返す騙し絵を描きます。不思議な動物や鳥や魚の形が無限に繰り返すミラクルワールド、そうだこれが騙し絵の世界だ。これで君も〈視覚の魔術師〉になれる!
■日時:2024年10月6日(日) 13時〜15時
■対象:子ども(5才くらい・保護者同伴)〜大人まで
■定員:12名様・要予約
■参加費:¥1,000(税込み・材料費込み)
■ご予約・お問い合わせ:岩崎ミュージアム「ワークショップ」係/TEL.045-623-2111
■スケッチ40%展 19th
―心においしい色、見つけた。―
2024年10月17日(木)~10月27日(日) ※最終日15:30終了
栗谷佳世「夏空の下で」
屋外でスケッチをするようになってから、季節を五感で感じるようになりました。夏の厳しい暑さ、冬の我慢できないような寒さはもちろんのこと、季節の花々の色や香り、新緑や草のにおい、風のにおい、鳥の声、夕方になると強く感じる海風、日差しにも季節があります。…それらが絵にちゃんと反映されているか…というと難しいのですが、時間が経ってから眺めると、その時の空気感やまわりのにおいなどがよみがえるようです。「その時」を切り取ったようなスケッチをこれからも増やしていきたいと思います。
加世亜木子
スケッチ40% プロフィール
2003年5月、神保町の由緒ある画材店文房堂のアートスクールで斎藤眞紀先生のクラス受講生有志が「スケッチ 40%」を結成。降水確率40%未満であれば屋外のスケッチ会を開催する…・・というのが名前の由来。横浜市の岩崎ミュージアムでのグループ展は今年19回目となった。月1回の定例会のほか、昨年より国内のスケッチ旅行が復活。年代も環境もさまざまのメンバーが、齋藤先生のもと楽しく活動している。
■岩崎ミュージアム第508回企画展
醍醐芳晴 透明水彩展
―伝統の技を魅せる―
2024年10月30日(水)〜11月10日(日) ※最終日16:00終了
透明水彩の伝統の技を今もしっかりと見せる醍醐先生の新作の展覧会です。
強い色彩と余白のコントラストの画面は画家の独特な技です。この機会にご覧下さい。
■ 略歴
醍醐芳晴さんは1952年東京都生まれ、1976年に武蔵野美術大学油彩画科を卒業、1994年に日本水彩展で不破賞(1995年に石井賞、1996年に文部大臣奨励賞、1998年に内閣総理大臣賞)を受賞、1995年に水彩展でオハラ(OHARA)町長賞などを受賞している。現在、無所属で、醍醐水彩教室を主宰している。
■岩崎ミュージアム第509回企画展
吉田 直 展
―私以外、口を開いてはならない―
2024年11月13日(水)〜12月1日(日) ※最終日16:00終了
『今宵きりの光景』 photo by 大塚日出樹
吉田直の作品は、平安時代に確立した日本の伝統技法「寄せ木造り」による彫刻作品です。
「寄せ木造り」とは、頭体部をふたつ以上の材木を寄せ合わせて一像に仕上げる技法のことで、内部を空洞化し、材の割れ、狂いを止め、像の軽量化と動的な彫刻表現を可能にしています。
この作品画像は2022年に発表された「今宵きりの光景」のもの。(※新作の画像公開は今しばらくお待ちください)
この展覧会では、青木慶則さんによる 展覧会のためのOriginal Background Music が制作されています。
ご興味がございましたら、ぜひお聴きください。
青木慶則「今宵きりの光景」
https://www.yoshinoriaoki.com/release/koyoikiri
彫刻家・吉田直
http://www.greenandsmile.sakura.ne.jp/Jpindex.html