スポーツ医療のスペシャリスト・笠次良爾先生から「熱中症対策と現場対応力」を学ぶ 横浜実践看護専門学校で特別講義を開催
2026年7月22日、岩崎学園横浜実践看護専門学校(以下、横浜実践看護専門学校)では、奈良教育大学の笠次良爾先生をお招きし、「災害現場やスポーツ現場での判断力・対応力を学ぶ ~熱中症~」をテーマに特別講義を実施しました。

笠次先生は、横浜実践看護専門学校の学生有志がボランティアスタッフとして参加した「ワールドトライアスロン横浜大会」において医療代表(Medical Delegate)を務められ、医師・看護師と共に活動する学生をご指導していただいた先生です。
整形外科医としての豊富な臨床経験を経て、現在は奈良教育大学で教鞭を執られています。また、TOKYO2020オリンピック・パラリンピックではトライアスロン競技の選手医療責任者(Athlete Medical Supervisor)を務められるなど、熱中症対策やスポーツ医療の分野で第一線のご活躍を続けられています。
今回は、看護学科2年生を対象に、熱中症に関する講義に加え、EAP(緊急時対応計画)の作成方法や、冷却法・搬送法などの実技についてご指導いただきました。
はじめに、災害医療の基本原則である「CSCATTT(CSCA=組織体制構築・TTT=傷病者対応)」について学び、スポーツ大会の救護活動にも活用される共通言語として、その重要性への理解を深めました。この考え方を基盤として、看護学生による救護ボランティアは医師・看護師の活動を支え、救護の質と安全を確保する重要な役割を担っていることを知り、ボランティア活動に参加する意義を改めて認識する機会となりました。

続いて、熱中症対策では「予防」が何より重要であることについて、実際の事例を交えながらご講義いただきました。重症化を防ぐためには、日頃からの体調管理や適切な水分補給に加え、深部体温を下げて体内に熱をため込まない工夫が重要であることへの理解を深めました。
今年の夏も厳しい暑さが続いています。汗をかくことを不快に感じ、できるだけ汗をかかないように過ごしている方も少なくありません。しかし、汗には体温の上昇を抑える重要な役割があり、熱中症予防には欠かせない生理機能であることをご説明いただきました。また、環境に応じた効果的な冷却方法や、朝食をしっかり摂ることの大切さについてもご教示いただき、熱中症予防には日頃の生活習慣と正しい知識に基づいた行動が不可欠であることを学びました。
講義の中で特に印象に残ったのは、「熱中症は我慢すると命に関わる」という言葉です。体調の変化にいち早く気づき、無理をせず適切に対応することの重要性を改めて認識しました。
さらに、決められたマニュアルを覚えるだけではなく、「なぜその対応を行うのか」という根拠を理解することが、災害現場やスポーツ現場のように状況が刻々と変化する環境で適切な判断につながることをご教示いただきました。また、「昨日までの常識が明日には非常識になることもある」というお話から、医療や救護の分野では、常に最新の知識や技術を学び続ける姿勢が求められることの重要性を実感しました。

今回の特別講義を通して、熱中症は適切な予防と早期対応によって防ぐことができる一方、対応が遅れると命に関わる危険な疾患であることを改めて学びました。学生たちは、現場で求められる判断力やチーム医療の重要性を実践的に学び、看護職として必要な知識と対応力を養う貴重な機会となりました。本講義で得た学びを今後の実習や地域・スポーツイベントでの救護活動に生かし、一人ひとりが安全で質の高い看護を提供できるよう、横浜実践看護専門学校では今後も実践的な学びの機会を大切にしてまいります。
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