ギャラリー
■ 当館主催または共催・協力イベント
■岩崎ミュージアム第521回企画展
吉田 直 展 「時代」
2026年9月3日(木)〜10月4日(日) ※最終日は16:00終了
休館日:7(月)、14(月)、24(木)、25(金)、28(月)
木彫/彩色
H860×W715×D670
「時代」
美術作家を目指す上で「早く個展を開きたい」。90年代後半私は焦っていた。
この頃半身像を手掛けていた理由は「早く」に他ならない。全身像よりも制作時間がかからないのである。
もっとも改めて観ると当時の熱量が感じられて、これはこれで納得している。
そのうち全身像を制作し始めた。当時から意識したのは「立たせる」。
作品が自立出来ないようでは説得力に欠けると考えた。更には「後世に恥じない作品」が目標となった。
その時だけ持ち上げられるのではいけない。金色の輝きでなく、彫刻刀の鋼。
そんな底光りする作品、しいては生き方に魅かれるようになっていった。
そして近年、相変わらず制作に四苦八苦している。
作品を作る、それは鉱脈を掘り進むようなものかもしれない。
幾重にも困難が立ちはだかる。しかし諦めたら鉱物には巡り会えない。
私だけが見つけられる鉱物があるはずだ、そう信じてこれからも鑿(のみ)を振るおうと思う。
三つの時代に分類した個展を開催します。(編注)
それぞれの時代に採掘した鉱物(作品)です。多くの方々に御高覧頂ければ幸いです。
※2026年9月から、3期に分けて「吉田直展「時代」」を開催いたします。
第1部
2026年9月3日(木)~10月4日(日)
「初めての個展」
個展会場を探していた1998年、銀座で「貸し画廊・申し込み受付中」なる看板を見つけた。全く知らない画廊だったが彫刻の展示に必要な広さがある。私は飛び込んだ。翌年7体展示・一週間の個展を開いた。
個展の案内DMは高校時代の友人達が「お祝い」として制作してくれた。嬉しかった。お越し下さった方々には(思い返すと恥ずかしいぐらい)一生懸命応対した。誰も来ない時間帯が長くなると「ダメなのかな...」と落ち込んだ。
その頃は尖った人も普通にいる時代で、作品にケチをつけられもした。
反対にお褒め下さる人もいて、中には「もっと小さい、卓上で楽しめるような作品を作れないか?」と誘って下さる(?)画廊もあった。
「不器用なのでそういう作品は出来ないのです」と"正直"に答えると怪訝な顔をされた。
当時30歳、余裕は全く無かった。純情で真剣だった。
個展後に込み上げた想いは「感謝」。芳名帳に記載して下さった方々にはお礼状を認めた。さすがに今はそこまでは出来ないが「感謝」の想いは変わらない。その気持ちを伝えたくて、「観に来て良かった」と感じて頂ける展覧会を毎回目指している。
プロフィール
1969年 神奈川県横浜市出身
1993年 東京造形大学彫刻科卒業
1995年 東京芸術大学大学院 美術研究科 保存修復技術彫刻専攻修了
1999年 個展 ギャラリー桂(東京銀座)
2000年 個展 岩崎ミュージアム(横浜・山手)
招待出品 TAMA VIVANT/多摩美術大学
トヨタコミュニティーアート/トヨタ自動車株式会社
2001年 大阪アートフェア(大阪・難波)
2002年 個展 岩崎ミュージアム(横浜・山手)
2003年 あさご芸術の森大賞展 【優秀賞・受賞】 (兵庫県・朝来市/あさご芸術の森美術館)
2005年 個展 アートスペース羅針盤(東京・京橋)
2006年 個展 岩崎ミュージアム(横浜・山手)
2008年 招待出品 TAMA VIVANT II/多摩美術大学
招待出品 CAFネビュラ展(埼玉県立近代美術館)
2009年 招待出品 第一回テレビ朝日アートフェア(六本木ヒルズ・テレビ朝日)
アクエリアス展/ギャラリー渓(東京・新宿)
2010年 個展 岩崎ミュージアム(横浜・山手)
個展 あさご芸術の森美術館 - 淀井敏夫記念館 - (兵庫県・朝来市)
2011年 個展 横浜トリエンナーレ2011連携プログラム(横浜・山手/岩崎ミュージアム)
2012年 特別展招待出品(横浜・山手/岩崎ミュージアム)
2013年 個展 FEI ART MUSEUM(横浜・鶴屋町)
2014年 個展 岩崎ミュージアム(横浜・山手)
個展 横浜画廊(横浜・元町)
2015年 第6回 「創造する伝統賞」 受賞(公益財団法人 日本文化芸術財団)
2016年 個展 岩崎ミュージアム(横浜・山手)
2018年 個展 岩崎ミュージアム(横浜・山手)
2019年 招待出品「人とアートの無限の繋がり1+1+1...展」 兵庫県・朝来市 あさご芸術の森美術館
個展 岩崎ミュージアム(横浜・山手)
2020年 新型コロナウィルス緊急事態宣言発令により全展示予定を延期または中止。
2021年 リモート展示 岩崎ミュージアム(横浜・山手)
2022年 個展 岩崎ミュージアム(横浜・山手)
招待出品「風姿花伝」展 FEI ART MUSEUM(横浜・鶴屋町)
2024年 個展 岩崎ミュージアム(横浜・山手)
所属団体 = 無所属。
彫刻家・吉田直
吉田直の作品は、平安時代に確立した日本の伝統技法「寄木造り」による彫刻作品です。
「寄木造り」とは、頭体部をふたつ以上の材木を寄せ合わせて一像に仕上げる技法のことで、内部を空洞化し、材の割れ、狂いを止め、像の軽量化と動的な彫刻表現を可能にしています。
■スケッチ40% 21th ―スケッチが語る。―
2026年10月7日(水)〜10月18日(日) 休館日:13日(火) ※最終日は15:30終了
宮森三樹夫「山手234番館」
このテーマは、昔から多くの著名な先生方に議論され書物も残されているので、私がここで話すのは気が引けますが、素人の私にとってもこれはとても難しい問題で、顧問の齋藤先生から講評の際、「この部分の影をもう少し上手く描けるといいのですが」としばしば指摘されます。
光と影。これは美術の表現技法ばかりでなく、心理学や哲学にも展開されるとても奥の深い難しいテーマです。
でも、この展覧会は、そんな難しいことは抜きにして、気軽な気持ちで足を運んでいただければ、と思います。何しろこのスケッチ40%のメンバーは、影・日向のない、気さくで明るい人たちばかりですから。
多くのみなさまのご来場をメンバー一同心からお待ちしております。
2003年5月、神保町の由緒ある画材店文房堂のアートスクールで齋藤眞紀先生のクラス受講生有志が「スケッチ40%」を結成。
当日の降水確率が40%未満であれば屋外のスケッチ会を開催する…というのが名前の由来。
横浜市の岩崎ミュージアムでのグループ展は今回で21回目となる。年代も環境もさまざまのメンバーが、齋藤先生のもと、月1回の定例会や国内スケッチ旅行など、楽しく活動している。