岩崎学園の教育システム

岩崎学園の教育システムは、創立 100 年の教育実績と、脳科学・学習心理学・教育工学の 13の理論を統合した「再現性のある成長環境」です。東京大学・池谷裕二教授の監修のもと、学生を「やらされる学び」から「自ら楽しむ力を持つ人材」へと育てる 3 段階のフェーズ設計と、AI・LMS を活用した伴走型サポート体制を、グループ 7 校で共通実装しています。

学校法人岩崎学園の「教育システム」は、創立 100 年の教育実績と、脳科学・学習心理学・教育工学の最新エビデンスを統合した、再現性のある成長環境です。

教育現場における『教員の経験や熱意への依存(属人化)』という構造的な課題を乗り越え、すべての学生に確実な成長環境を届けるため、岩崎学園は東京大学・池谷裕二教授の監修のもと、13 の学術理論を日々の授業運営にシステムとして組み込みました。

学生を「やらされる学び」から「自ら楽しむ力を持つ人材」へと育てる 3 段階のフェーズ設計、学生カルテと 2 つの AI システムによる伴走型サポート、教職員 10 の行動指針。これらを岩崎学園グループ 7 校すべてで共通実装しています。


目次
1. 入学から卒業まで 成長の階段(3つのフェーズ)
2. 教育理論との紐付けと、7つの現場の実践例
_2-1. 意欲と主体的行動を引き出す「動機づけ・マインド理論」
_2-2. 記憶の定着と習慣化を科学する「認知・学習理論」
_2-3. 実践の質を高める「経験と振り返りの理論」
_2-4. 行動変容を導く「評価・コミュニケーション理論」
3. 担任システム(伴走型サポートシステム)の詳細
_3-1. 学生が語る、岩崎学園の担任の本当の姿
4. 教職員の10の行動指針
5. 結びにかえて
よくある質問

1. 入学から卒業まで 成長の階段(3つのフェーズ)

岩崎学園のカリキュラムは、自己決定理論(SDT)とコルブの経験学習モデルを基盤に、学生の心理的成長に合わせて介入度を綿密にコントロールする「3段階のフェーズ」で設計されています。※2年制・3年制学科においても、それぞれの年次相応の段階設計を適用しています。

フェーズ①:【基礎学習】有能性を身につける(主に入学初年度)

初めて専門領域に触れる1年生の初期は、期待と同時に「ついていけるだろうか」という強い不安を抱えています。この時期の目標は、徹底的な仕組化によって「学習の習慣化」を図り、「自分にもできる」という確かな自信(有能性)を育てることです。

  • アプローチ: やる気に頼るのではなく、日々の授業運営の中に「まず身体を動かす」「最初と最後で脳を刺激する」仕組みを導入。教員による積極的な介入と「プロセスへの承認(外的承認)」、そしてその成長を視覚的に実感させる「成長実感」を通じて、学びへのエンジンを立ち上げます。

フェーズ②:【経験学習】省察・概念化と成功体験(主に2〜3年次)

基礎を終えた学生は、学内プロジェクトや臨地・臨床実習、産学連携といった本格的な「実践の場」へと進みます。この時期の目標は、リアルな現場での成功や失敗を成長の糧へと変える「経験学習サイクル」の定着です。

  • アプローチ: 楽しさだけでなく、あえて「少しの凹凸(望ましい困難)」がある環境を用意します。教員は答えを教え込む役割から、学生自身にリフレクション(省察)を促す「ファシリテーター(伴走者)」へと役割を変え、関係性を満たしながら「学びの意義付け」をサポートします。

フェーズ③:【自律学習】楽しむ力を持つ人材へ(主に卒業年次)

最終段階では、教員のサポートを最小限に抑え、学生が自らの意志で動き出す状態を目指します。

  • アプローチ: 獲得した技術や知識を、誰かに指示されるからではなく「社会や誰かのために活かしたい」という内発的動機(自律性)へと昇華させます。困難さえも「自分を成長させるクエスト」として楽しめる自律的な姿勢を完成させ、社会へと送り出します。

2. 教育理論との紐付けと、7つの現場の実践例

これらの成長の階段を支えるのが、東京大学大学院の池谷裕二教授の監修による脳科学・学習心理学のエビデンスです。学園グループ7校では、これらの理論を日々の授業運営にダイレクトに組み込んでいます。

2-1. 意欲と主体的行動を引き出す「動機づけ・マインド理論」

① 自己決定理論(Self-Determination Theory : SDT)

  • 理論の解説: 心理学者エドワード・デシとリチャード・ライアンらが提唱した動機づけ理論です。人間が自律的に行動し、高いパフォーマンスを維持(内発的動機づけ)するためには、「有能性(自分には能力があるという感覚)」「関係性(他者とつながり、認められているという感覚)」「自律性(自分の意志で行動を選択しているという感覚)」の3つの心理的欲求が満たされる必要があるとされています。
  • 現場でのつながり: 入学直後の1年生は、専門分野への不安からこれら3つの欲求が非常に低い状態(外発的動機、または無動機)にあります。ここでいきなり「自律的に動きなさい」と突き放しても、学生の脳は思考停止してしまいます。そのため、学年や成長フェーズに応じて教員の介入度を綿密にコントロールし、段階的にこの3つの欲求を満たしていくアプローチをとります。
  • 実践・成功例: 1年次は教員が手厚く介入して小さな課題を確実にクリアさせることで「有能性」を育て、2〜3年次は実習などの挑戦の場で教員がファシリテーター(伴走者)として学生をありのまま承認することで「関係性」を担保し、卒業年次には教員の介入を最小限に抑えて学生自身が目標を設定して動く「自律性」を完成させるという、年次相応のカリキュラム段階設計を全校で採用しています。

② フロー理論(Flow Theory)

理論の解説: 心理学者ミハイ・チクセントミハイが提唱した、人間が時間を忘れるほど目の前の活動に完全に没頭し、最高のパフォーマンスを発揮している精神状態(フロー状態)に関する理論です。フロー状態に入るためには、「課題の難易度」と「本人のスキルレベル」が絶妙なバランスで均衡していること(難しすぎて不安にならず、簡単すぎて退屈しない領域)が必要不可欠です。

現場でのつながり: 授業のレベルが平坦すぎると、スキルの高い学生は「退屈」し、逆に難易度が急激に上がりすぎると、ついていけない学生は「不安・恐怖」を感じて挫折してしまいます。集団授業において、すべての学生をこの「フロー領域」に長期間とどまらせることは、従来の教育手法では非常に困難でした。

実践・成功例: 岩崎学園では、学生個々のスキル習得状況をデジタル(LMS)でリアルタイムに可視化し、一律の講義ではなく、学生の習得度に応じたスモールステップの課題設定を行っています。簡単すぎず難しすぎない「心地よい摩擦(望ましい困難)」を授業内に意図的にデザインすることで、学生全員を「置いてきぼり」にも「退屈」にもさせず、学びに没入させる環境を作っています。

③ BERI(やる気を出す方法)

理論の解説: 本教育システムの監修者である池谷裕二教授の知見などに基づく、脳科学に根ざした教育システムの根幹をなすフレームワークです。脳のやる気を司る部位は、自分の意思(精神論)ではコントロールできません。しかし、【B】Body(カラダを動かす)、【E】Experience(いつもと違うことをする)、【R】Reward(ごほうびを与える)、【I】Ideomotor(なりきる)という4つのアプローチを連動させることで、感情(やる気)の有無に関わらず、脳を強制的に、かつスムーズに学習モードへと誘うことができるシステムです。

現場でのつながり: 「やる気が出るのを待つ」という受動的な姿勢では、いつまで経っても学習のエンジンはかかりません。特に初めての専門領域に触れる1年生の初期は、内容への心理的ハードルが高いため、「モチベーションを高く持ちなさい」という言葉での叱責や指導は無力です。学生の精神力に依存するのではなく、授業デザインそのものが脳の「4つのスイッチ(BERI)」を自然と押してしまうような、科学的な仕組みが必要とされます。

実践・成功例: 岩崎学園では、このBERIを日々の授業運営のプロセスへと完全にシステム化しています。

  • 【B】Body: 授業の冒頭に、あえて手を動かすワークや、その日の実習に使う機材・道具のセッティング、プロの手順をトレースする簡単な基礎動作(ウォーミングアップ)など、まず強制的に「カラダを動かす」プロセスを導入しています。これにより、頭で考えるよりも先に行動を介して脳の作業興奮(アイドリング)を確実に立ち上げ、スムーズに高い集中状態へと誘います。
  • 【E】Experience: 毎回平坦な講義を聴くだけでなく、いつもと違う手順や、頭を捻るワークを意図的に配置し、「いつもと違うことをする」刺激で脳を飽きさせません。
  • 【R】Reward: 課題をクリアした際、結果の優劣だけでなく試行錯誤したプロセスに対して教員やシステムが適切な「ごほうび(承認・フィードバック)」を与え、脳に達成感(ドーパミン)を記憶させます。
  • 【I】Ideomotor: 理想の姿や環境に「なりきる」ことで、行動と能力を無意識に引き上げます。授業内で「プロのエンジニアや保育士になりきる」ワークを行うだけでなく、ハイレベルな環境に身を置くことでマインドを高めるアプローチも行っています。一例として、情報科学専門学校の伝統あるサークル「IPfactory」が挙げられます。ここでは最先端のIT技術を主体的に実践したい高い意識を持った学生が集まり、優れた実績を持つ先輩たちと深く繋がることができます。活躍する「できる先輩」の姿を間近で見て、その思考や行動、就職活動への姿勢をトレースし、自らも「一線で戦うプロのエンジニア」としてコミュニティになりきる(同化する)ことで、技術の習得や試験対策、キャリア構築の面で劇的な成長を遂げるという、強力なピア・エフェクトを生み出しています。 このBERIの連動により、学生は「がんばって勉強する」と力むことなく、気がつけば夢中で学びに没頭できる環境を実現しています。

④ ローゼンタール効果(Rosenthal Effect:ピグマリオン効果)

  • 理論の解説: 教育心理学における心理的効果で、「人間は他者から期待されると、その期待に沿った成果を出すようになる」という現象です。逆に、指導者が「この学生はできない」と心のどこかで諦めていると、それが無意識の態度や言葉に表れ、本当に学生の成績やモチベーションが低下してしまう(ゴーレム効果)ことも実証されています。
  • 現場でのつながり: 入学段階での学習習得度や要領の良さには個人差があります。教員が特定の優秀な学生ばかりに期待をかけたり、進捗の遅い学生に対して「どうせ無理だろう」という前提で接してしまうと、学生はそれを敏感に察知し、自尊心を傷つけ、学習意欲を完全に喪失してしまいます。
  • 実践・成功例: 後述する「教職員の10の行動指針」において、「できないと決めつけない」を掲げています。現在の習得度に関わらず「適切な環境とアプローチがあれば、この学生は必ず成長できる」という絶対的な信頼(期待)を原点として教員が接することで、学生の自己効力感(自分はやればできるという自信)を引き出し、実際に成果へと繋げています。

⑤ ダニング・クルーガー効果(Dunning–Kruger Effect)

  • 理論の解説: 社会心理学者のデヴィッド・ダニングとジャスティン・クルーガーが提唱した、人間の認知特性に関する理論です。「ある領域において未熟な人ほど、自分の実力を正確に測る物差し(メタ認知能力)を持たないため、自分の実力を過大評価(自信過剰)しやすい」という現象を指します。 これは一見すると認知のエラー(勘違い)のように思えますが、教育においては「未熟だからこそ、プロの壁の高さに怯むことなく、根拠なき自信を持って前向きにチャレンジし続けられる」という、脳の極めてポジティブな初期ブースターとして機能します。自分の未熟さに足を止めることなく、純粋に「楽しんでやり続けること」ができるからこそ、その圧倒的な行動量の先に真の成長がもたらされます。
  • 現場でのつながり: 入学直後の1年生によく見られる、「自分にはセンスがあるから大丈夫」「これくらい簡単にプロになれる」という一見無鉄砲とも言える高いモチベーションは、この理論が好意的に作用している状態です。学園ではこの「初期の自信」を絶対に否定せず、まずは楽しんで打席に立ち、行動量を爆発させるための貴重なエネルギーとして扱います。 しかし、年次が進み、学内での実践や実際の現場(臨地・臨床実習、産学連携プロジェクトなど)を経験すると、学生は「本物のプロの物差し」を手に入れ、初めて自分の現在地と課題を客観的に自覚できるようになります。このとき、学生は一時的に「自分はまだまだできていなかった」と立ち止まることがありますが、これは能力の低下ではなく、「楽しんでやり続けた結果、次のステップへ進むための正しい自己認識(メタ認知能力)が育った証」です。
  • 実践・成功例: 岩崎学園の教員は、この「無自覚な楽しさによる初期ブースト」から「客観的な自己認識」へと移行するグラデーションを完全に理解してカリキュラムと指導を設計しています。 1年次はいかに学生を夢中にさせ、自信を持って行動させるか(有能性の獲得)を最優先し、2年次以降に自分の現在地が見えてきた段階で、前述の「コルブの経験学習サイクル(建設的な振り返り)」や『成長差分の可視化』へとスムーズに接続します。学生が過度な自己否定に陥るのを防ぎ、「初期の楽しさ」を失わないまま、一歩一歩着実にプロフェッショナルへの階段を登り続けられるよう、科学的な伴走を行っています。

(補足)一般的な誤解について: ビジネス書やSNS等において、ダニング・クルーガー効果は「初心者が自信満々の状態から、挫折して『絶望の谷』に落ち、そこから這い上がる」という曲線グラフとともに紹介されることが多々あります。しかし、これは後世の俗説(ミーム)であり、実際のダニングとクルーガーの論文(1999年)にはこのようなプロセスやグラフは登場しません。 実際の理論が証明しているのは、「未熟な人ほど、自分の現在地を測る物差しを持たないため、無自覚に自信過剰になりやすい」という認知の仕組みそのものです。岩崎学園では、この「無自覚だからこそ、恐怖を抱かずに楽しんでやり続けられる」という本来の心理効果のメリットに着目し、初期の強力な行動エネルギーとして教育システムへ落とし込んでいます。

2-2. 記憶の定着と習慣化を科学する「認知・学習理論」

⑥ エビングハウスの忘却曲線と「分散学習」

  • 理論の解説: 心理学者ヘルマン・エビングハウスが実験によって明らかにした、人間の記憶の保持に関する理論です。人間は覚えた直後から猛烈な勢いで忘却が始まり、1日後には約7割を忘れてしまいます。この実験では無意味な綴り文字の実験での数値であり、有意味な専門知識への適用には留意が必要ですが、この忘却に抗い、知識を長期記憶として定着させるためには、一度に詰め込む(集中学習)のではなく、あえて時間を空けて「直後、1日後、1週間後、1ヶ月後」と定期的に復習を繰り返す「分散学習(Spaced Repetition)」が極めて有効であるとされています。
  • 現場でのつながり: 覚えるべき専門知識が膨大な医療系やIT系、デザイン系の基礎学習において、定期試験の直前に徹夜で詰め込み学習をしても、試験が終われば知識は霧のように消えてしまいます。これでは、実習や将来の国家試験、就職後の実務で全く役に立ちません。
  • 実践・成功例【情報科学専門学校 等】: 毎回の授業の最後に要点を確認する小テスト「ダイジェスト」を実施。60点未満は放課後補講でその日のうちに解決し、さらに単元ごとにもテストを細かく配置し、「あえて学生が忘れた頃」に意図的に配置するカリキュラムをシステム化しています。学生個人の「やる気」や「自主学習」に委ねることなく、学校のスケジュール自体に分散学習を組み込むことで、国家試験合格や専門スキルの確実な定着を実現しています。

⑦ 初頭効果・終末効果

  • 理論の解説: 人間は提示された情報の「最初(初頭効果:Primacy Effect)」「最後(終末効果:Recency Effect)」に接した情報が、最も記憶に残りやすく印象に残りやすいという脳の認知特性です(Murdock, 1962)。初頭効果は長期記憶に、終末効果は短期記憶(ワーキングメモリ)に強く依存しているとされています。
  • 現場でのつながり: 多くの学校の授業では、授業の最初の10〜15分を出席確認や事務連絡などの雑務でだらだらと消費し、最も集中力が落ちる中盤に重要な講義を行い、最後はバタバタと片付けをして終わりがちです。これは脳の記憶のゴールデンタイム(最初と最後)を完全にドブに捨ててしまっている状態です。
  • 実践・成功例:  岩崎学園では、この初頭効果を、学園生活全体のスタートラインである「入学式」にも応用しています。岩崎学園の入学式には、一方的な式辞が続く堅苦しい式典はありません。これから始まる新しい学びへの期待感を最大化し、脳のやる気スイッチをオンにするため、新入生たちが自ら身体を動かし、五感を使って一体感を醸成する「体験型イベント」として設計・実施しています。 「学校生活の最初の1日(初頭効果)」に強烈なワクワク感と心理的安全性を脳に記憶させることで、その後の専門学習へ向かうモチベーションの基盤を科学的に構築しています。
2026年度入学式の様子

⑧ ラーニングピラミッド(Learning Pyramid)

  • 理論の解説: アメリカの国立訓練研究所(NTL)などの研究で知られる、学習方法の違いによる「平均学習定着率」を表したモデルです。受動的な講義の聴講や読書に比べ、グループ討論、自ら体験する、そして「他の人に教える」という能動的なアクティブ・ラーニング(能動的学習)の方が、高い定着効果を発揮するとされています。
  • 現場でのつながり: 教員が教壇から一方的に知識を話し続ける「座学」のスタイルは、大勢に情報を伝えるには効率的ですが、学生の脳にとっては非常に退屈で定着率も低くなります。しかし、学生にいきなり「主体的にディスカッションしなさい」と言っても、知識の土台や安心感がない状態では、一部の積極的な学生以外は黙り込んでしまいます。
  • 実践・成功例【横浜リハビリテーション専門学校】: 最も暗記量が多く1年生が苦労する基礎医学(解剖学・生理学)において、「3年生が2年生に教え、2年生が1年生に教える」という縦の相互学習(ピア・ラーニング)の仕組みをカリキュラムに導入しています。骨格模型や教材を一緒に見ながら先輩が後輩を指導します。1年生は「教員よりもフランクに、自分たちの目線で教えてもらえる」という安心感を得て学習定着率が向上し、教える側の上級生(2・3年生)は「後輩に説明するために自分の知識を再構成して言語化する」ことで、最高峰の学習定着率の恩恵を受け、国家試験に向けた強固な知識の土台を再構築しています。
上級生と下級生がセットになって行う相互学習

2-3. 実践の質を高める「経験と振り返りの理論」

⑨ コルブの経験学習サイクル(Experiential Learning Model)

  • 理論の解説: デービッド・コルブが提唱した、具体的な経験を真の成長へと変えるための4段階のサイクル理論です。人間は、単に何かを「① 経験」するだけでは成長しません。その経験を客観的に深く振り返る「② 省察」を行い、そこから「次に活かせる教訓やルール」を導き出す「③ 概念化」を経て、それを新しい状況で「④ 実践」に試す。この4つのステップを回すことで初めて、経験が再現性のある真の実力へと昇華されます。
  • 現場でのつながり: インターンシップや臨地・臨床実習、産学連携の現場において、学生は必ず多くの失敗や思い通りにいかない現実を経験します。このとき、多くの教育現場で陥りがちなのが、単なる「反省会(悪かったところを言いあい反省したことにする)」や「愚痴の言い合い」、あるいは「今回は運が悪かった」という片付け方です。これでは経験がただの「思い出」や「トラウマ」で終わってしまい、次の成長に繋がりません。
  • 実践・成功例: 【横浜デジタルアーツ専門学校】で実践しているプロジェクト学習では、事前調査・打ち合わせ・提案・実践・振り返りといった一連の経験学習サイクルを実践することで、社会人基礎力の向上を目指すプロジェクト学習のフレームを構築。プロジェクト完了後、チームで振り返りを行い「リフレクションマップ」という大きなポスターとして展示、口頭発表で成果報告を行うほか、個人では最終報告書の提出し、口頭試問でフィードバックを行うなど、仕組みとして省察・概念化を促すことで、学びの質を揃えています。このことにより、より上流工程をこなせる人材育成ができるようになり、就職先が広がりました。
リフレクションマップ(横2メートルほどある大きなポスターに、活動の全体像の振り返りをまとめる)

⑩ 成長差分の可視化(進捗の法則)

  • 理論の解説: ハーバード・ビジネス・スクールのテレサ・アマビール教授らの研究「進捗の法則(The Progress Principle)」に基づくアプローチです。人間のモチベーションを最も高めるのは、高額な報酬や大絶賛ではなく、「日々、自分が前進している(成長している)という小さなしるしや実感を自覚すること」であるとされています。
  • 現場でのつながり: 「最終目標(資格取得や内定、プロレベルの技術)」があまりにも遠く高い場所にあると、日々の地道な基礎学習の中で、学生は「自分は本当に上手くなっているのだろうか」と五里霧中になり、モチベーションを維持できなくなります。他者との比較ばかりを気にして、自己肯定感を下げる原因にもなります。
  • 実践・成功例【横浜保育教育専門学校等】: 各授業内に必ずリフレクション(振り返り)を導入し、ポートフォリオ(成果の蓄積)や小テストの結果、取り組んだデジタルデータを蓄積しています。「昨日までできなかった手遊びができるようになった。」「授業で習った手遊びや子ども達との関り方(遊び方)を実践で行うことができた。」など、過去の自分(基準点)からの「成長差分」を客観的なデータとして学生に自覚させています。これこそが脳にとって最大の報酬(Reward)となり、自律的な成長意欲を爆発させるエンジンとなっています。

2-4. 行動変容を導く「評価・コミュニケーション理論」

⑪ PNP法(Positive-Negative-Positive)

  • 理論の解説: コミュニケーションや指導におけるフィードバックの技法です。相手の課題や修正点を伝える(Negative)際に、それを単体で伝えるのではなく、まずは相手の優れている点や努力したプロセスを褒め(Positive)、その後に具体的な改善点を提示し(Negative)、最後は今後の期待やポジティブな言葉で挟んで締めくくる(Positive)というサンドイッチ型の伝達技法です。
  • 現場でのつながり: 特に1年生や、初めて作品制作・実技を行う学生の心は非常に繊細です。教員側が良かれと思って「ここ、デッサンが狂っていてダメだよ」「手順が間違っている」と結果だけをストレートに否定(Negative)すると、学生の脳は「拒絶された」と判断し、心理的安全性が崩壊して、その分野への挑戦意欲を失ってしまいます。
  • 実践・成功例【横浜デジタルアーツ専門学校等】: CG科のデッサンやミュージック科の基礎学習等において、教員間の絶対の約束事としてこのPNP法を徹底しています。
    • P(ポジティブ): 「この全体の構図は、バランスが取れていて凄くいいね!」(本人が工夫したプロセスへの承認)
    • N(ネガティブ): 「ただ、ここの陰影の境界線をあとほんの少しだけ暗く表現すると、もっとプロっぽくなって立体感が出るよ」(次に超えるべき、望ましい困難の提示)
    • P(ポジティブ): 「全体的な線の引き方は素晴らしいから、次の作品が本当に楽しみだね」(未来への期待) ただ安易に「上手いね」と褒めるのではなく、このPNP法を用いることで、学生は「自分の努力のプロセスを認められた」と感じ、脳からドーパミンを放出して作品制作に没頭するようになります。

⑫ 情報源信頼性理論(Source Credibility Theory)

  • 理論の解説: コミュニケーション心理学や社会心理学における基礎理論の一つで、「人間は、当事者が直接発信する情報よりも、利害関係のない第三者を介して間接的に伝わる情報(口コミや専門家の評価など)の方を、圧倒的に客観性・信頼性が高いと判断する」というウィンザー効果として知られる心理効果を説明したものです。情報の受け手は、発信者が「何を発信しているか」だけでなく、「その発信者は信頼できる立場か(専門性と客観性)」を無意識に評価しているとされています。
  • 現場でのつながり: 担任や日頃から接している教員が学生に対して「君には素晴らしい能力があるよ」「今学んでいる知識は社会で絶対に役に立つよ」と直接伝えることは極めて重要です。しかし、時に学生側は「いつもお世話になっている先生だから、お世辞や型通りの励ましで言ってくれているのではないか」という主観的なバイアス(勘ぐり)を抱いてしまうことがあります。自ら発信するメッセージの信頼性を最大化するためには、学内の教職員という単一の情報源に閉じず、客観的な立場にある「第三者」の声を戦略的に介入させる必要があります。
  • 実践・成功例: 岩崎学園では、日頃から学生を指導している教員の言葉を「確かな知識・自信」として学生の脳に定着させるため、授業運営や評価の場に、非常勤講師、業界の第一線で活躍するゲスト講師(有名企業や外部のプロフェッショナル)、そして実際に社会で活躍する卒業生を積極的に招聘しています。 学生が日々教員から教わっている理論や技術に対し、外部のプロや先輩から「まさに今、現場で必要なのはその力だよ」「その基礎ができているからプロとして通用するんだよ」と、全く同じ価値観のフィードバック(第三者による承認)を受けることで、学生の脳内で情報源信頼性理論が強力に作用します。「先生が言っていたことは本当だったんだ」という確信へと変わり、日頃の学びの意義が劇的に高まります。 
  • また、この思想は学内の「担任システム」にも応用されており、クラス担任だけでなく、他の教員や就職スタッフが学生カルテ(LMS)を介して連携し、「さっき担任の〇〇先生から聞いたよ。昨日の実習レポート、すごく工夫して書けてたんだってね!」と間接的に褒めるアプローチを組織的に行っています。これにより、学生は「自分の見えないところでも努力を客観的に評価されている」という強烈な安心感(心理的安全性)を得ることに成功しています。

⑬ ゲーミフィケーション(Gamification)

  • 理論の解説: ゲームが持つ「人を熱中させる要素(明確な目的、即時フィードバック、スコアの可視化、スモールステップの課題、他者との競争・協調など)」を、教育やビジネスなどのゲーム以外の領域に応用し、ユーザーのモチベーションを爆発的に高める手法です。
  • 現場でのつながり: 「教科書を1ページ目から順番に読み、暗記する」という従来の平坦な学習スタイルは、脳にとって非常に退屈で苦痛を伴います。「将来役に立つから今は我慢して勉強しなさい」と言われても、人間の脳は直近の報酬(楽しさ)を求めてしまうため、自発的な行動には繋がりません。
  • 実践・成功例【情報科学専門学校・横浜実践看護専門学校等】: 情報科学専門学校では、授業と実習の冒頭に、クラスメイトとゲーム感覚でリアルタイムにスコアを競い合う「100マス計算」やタイピング練習のゲームを導入。横浜実践看護専門学校では、取り組んだ問題数や正答率がデジタル画面上でリアルタイムにグラフ化され、自分のレベルアップが視覚的にわかる「10分間テスト」を毎授業に導入しています。
  • 成功の結果: 「勉強させられている」という感覚を消し去り、学生の脳は「課題をクリアしてスコアを上げるクエスト」として処理するようになります。小さな成功体験が即座に視覚的フィードバックとして返ってくるため、退学率の減少や、基礎知識の定着に目覚ましい成果を上げています。

3. 担任システム(伴走型サポートシステム)の詳細

岩崎学園の「クラス担任制」は、教員個人の経験則や熱意といった属人性だけに頼るものではありません。データフロー図(DFD)に基づき、科学的に組織全体で学生一人ひとりを包み込む「伴走型サポートシステム」を確立しています。

  • 学生の「生データ」を網羅する学生カルテ:
    教員と学生の接点は、定期面談や授業内だけに留まりません。廊下での立ち話、放課後の何気ない会話、保護者様とのコミュニケーションに至るまで、教職員が気づいた学生の「生データ」は適切な範囲で記録・共有し、学生カルテに蓄積・集約されます。

※学生カルテ(LMS)の運用にあたっては、個人情報保護方針に基づき厳格なセキュリティ対策を講じており、学生のプライバシーと安全を最優先に守る体制を徹底しています。

  • 学年(横串)× 学科(縦串)による迅速な方針決定:
    カルテに集まったデータをもとに、学年会議(横串)と学科会議(縦串)を定期的に開催。一人の担任の視野に依存せず、多角的な視点から「今、この学生にどのようなアプローチが必要か」の支援方針を組織として決定します。
  • 教職員を強力にバックアップする「2つのAIシステム」:
    • 学生指導AI: 蓄積されたカルテデータから、学生のエンゲージメント低下や小さな予兆をいち早く察知し、教員へのアラートや適切な対応法のヒントを提示します。
    • 就活サポートAI: 入学からのポートフォリオ更新や生活履歴データと、企業の採用動向データを掛け合わせ、その学生だけの「成長実感」を言語化。最適な履歴書作成やマッチングをサポートします。
  • チームによる多層サポート:
    クラス担任が中心軸となりつつ、授業担当教員、スクールカウンセラー、就職担当スタッフがカルテを通じて状況を完全共有。状況に応じて、担任以外の最適な職員がアプローチできる体制を整えています。

3-1.学生が語る、岩崎学園の担任の本当の姿

岩崎学園の教育システムを、実際に体験している学生たちの声でお伝えします。以下、学校・先生のイニシャルは個人特定を避けるため一部表記を変えています。

「就活で20社落ちてロボットみたいになってた私に、「もっと崩していいよ」」

O先生とH先生は、あだ名で呼び合えるくらい距離が近い!ウチらがパーソナルカラー検定のテキスト持ってない時、H先生が全ページコピーして対策してくれたの。就活で20社落ちてロボットみたいになってた時も「もっと崩していいよ」って本当のウチを見てくれた。
「「歩く消臭剤」みたいな安心感の先生、無理難題に脚立に乗ってくれる」

M先生は、そこにいるだけで周りが浄化される「歩く消臭剤」みたいな安心感があるんです。演出で天井の電気を消したいって無理を言った時、他の先生はダメだったけど、M先生は「蛍光灯一つ外せばいけるよ」って一緒に脚立に乗って手伝ってくれました。おしゃれで大好きな先生!
「言い合いでも一歩も引かず、誕生日メッセージをくれた先生」

俺が反抗して職員室で先生と言い合いになった時、F先生は一歩も引かずにぶつかってきた。でも後で、俺が母子家庭で苦労してる背景を全部知った上で「味方だよ」って。誕生日にメッセージまでくれて、ガチで信頼できる先生。
「実習に行けなくなりそうな私を「学校にいる間は私が見てるから」」

精神的に不安定で実習に行けなくなりそうだった時、I先生が「学校にいる間はいつでも相談にのるよ」って笑ってくれて、ホッとしました。早めにカウンセラーさんに繋いでくれたし、その手前で「カウンセラーさんと話す前に少し整理していこうね」って気軽に話を聴いてくれて、本当に救われました。
「前の学校で評判悪かった俺を、真っ白な状態で見てくれた」

俺、前の学校じゃ態度悪いって評判だったんだけど、H先生だけは「私は色眼鏡で見ないよ。真っ白な状態で関わる」って言ってくれた。俺を信じて味方でいてくれたから、期待を裏切りたくなくて実習もマジで頑張れた。先生にだけは悪いところを直せって言われても素直に聞ける。
「ネガティブな気持ちを「人間として当たり前」と全肯定してくれた」

「〇〇さんが嫌だ」っていうネガティブな気持ちをS先生に相談したら、「そういう感情を持つのは人間として当たり前だよ」って全肯定してくれたんです。罪悪感でいっぱいだったけど、先生が受け入れてくれたおかげで、最低限の付き合いから頑張ろうと思えました。
「教室に入れなくなった俺の表情の変化をすぐに察してくれた」

友人トラブルで教室に入れなくなった時、A先生が電話で「一度話そう」って。結局、一時的に教室とは別の部屋で勉強できる環境を作ってくれたんです。先生が休み時間に校内を見回っていたとき、俺の表情のちょっとした変化をすぐに察してくれたおかげです。
「「インフルエンサーになりたい」も否定しないで、ハクをつける道を提案してくれた」

K先生はマジで最高。ウチが「インフルエンサーになりたいから就職したくない」って言った時も否定しないで、「ならハクをつけるためにこの資格取ってからSABFA行こう!」って提案してくれた。ネイル変えたら秒で気づいてアゲてくれるし、話が早くて好き!
「過去の先輩データを見せて、「君の性格に合ってる」と教えてくれた」

R先生は僕が就職先に迷っていた時、過去の先輩のデータをスプレッドシートで見せてくれて「この会社、君の性格に合ってるよ」って個別に目標を立ててくれました。できていない所を叱るんじゃなく「ここはできてたね」って必ず褒めてから本題に入るから、やる気が出ます。
「ウェディングムービーで追い詰められた私に、トイレの鏡で振る舞いを教えてくれた」

M先生は、私がウェディングムービーの納期に追われて追い詰められた時、異変に気づいて「一人で抱えなくていい、私がサポートするから」って面談してくれました。トイレの鏡の前で、個別に立ち居振る舞いを教えてくれたり、自信が持てるまでずっと伴走してくれたんです。
「ファッションライブで審査員にメイクを褒められた、その背中を押してくれた」

T先生は、ファッションライブのデザインで悩んでたウチに「選ばれたんだからできる、自信持って」って何度も励ましてくれた。当日は審査員にメイク褒められて、マジで最高だった!「暇な時いつでも職員室おいで」って、先生と友達みたいになれたのが嬉しい!
「「現場で使うやつ」って分かる授業、ふらっと席まで来てくれる先生」

T先生の授業はマジで「現場で使うやつ」って分かる。動画とか画像で「こういう案件で実際こう使うんだよ」って見せてくれるから、納得感がヤバい。チーム制作で詰まった時も、ふらっと席まで来て「ここは?」って聞いてくれるから、置いてかれない。プロが使ってる技術の本筋を教えてもらってる感じがする。
「「ITはアイデア次第」と、IoTツリーを大企業の人に説明させてくれた」

M先生は口グセが「ITはアイデア次第」。授業のノリでIoTのクリスマスツリーを一緒に作ったんですけど、それを大企業の人がいる場に持っていって「〇〇(自分の名前)君、これ説明してみて」って言うんです。緊張しながら説明したら「すごいね」って言われて、マジで震えた。学校の外に出ると見える景色がぜんぜん違う、っていうのを初めて知った瞬間でした。
「「マイクラの案件やってみな」と、外のビジネス世界とつないでくれた」

M先生は、俺がやりたいって言ったマイクラの案件を「やってみな」って任せてくれた。機材が足りない時も「勉強になるなら買うよ」って。プログラミングできない俺にハード担当の役割をくれたり、外のビジネスの世界と繋いでくれるから、学校にいるのが飽きない。
「「家族じゃなく、踏み台にして自立しろ」と笑う先生」

Y先生、普段は「先生」を演じててテンション高いけど、学食で一緒にランチ食べる時はマジでフランク。ウチが提出物サボりそうになると「バレてんぞー」って笑いながら釘刺してくる。家族じゃなくて「踏み台にして自立しろ」って距離感が逆に信頼できるわ。
「イベント制作で泣いてた私に、「感謝の気持ちを忘れないように」と諭してくれた」

イベント制作でチームの人間関係に悩んで泣いていたら、M先生が「感謝の気持ちを忘れないようにしよう」って諭してくれました。先生に言われたから自分の態度も変えられたし、最後はみんなで感動して泣ける最高のプロジェクトになりました。先生には隠し事できません。
「「自分が施術されたいエステティシャンになろうよ」5倍返しの熱量の先生」

B先生は「自分が施術されたいエステティシャンになろうよ」っていつも言ってる。最初は「ウケる」って思ってたけど、先生が隙間時間で勉強してたり、ウチらに感謝を伝えてくれる姿を見てたら、マジでプロってこういうことかって思った。相談すると5倍返しの熱量で最高!
「やんちゃな俺の名前を、漢字までフルネームで覚えてくれてた」

S先生は俺の名前をフルネームで、漢字までしっかり覚えてくれてた。やんちゃな俺にはネチネチ説教じゃなく、兄貴みたいな目線で「ここだけは守れ」って短く伝えてくれる。他の先生が褒めてた内容をすぐシェアしてくれるから、見てくれてるんだなって実感する。
「クラスの誰かが泣いた話まで、学年全員の先生で共有して守ってくれる」

先生たちは、学年全員の先生で守ってくれる安心感があります。放課後も「困った時だけ来なさい」と言いつつ、髪が乱れてたり目が合わなかったりする私の変化をすぐ見つけて、隣に座ってくれるんです。
「「なんで忘れたの?」じゃなく「次どうしたら忘れない?」と聞いてくれた」

M先生は、僕が課題を忘れて謝った時、「なんで忘れたの?」じゃなくて「次どうしたら忘れない?」って聞いてきた。怒られると思ってたから拍子抜けして、その場で「メモ取ります」って自分で答えてた。それ以来メモの取り方変わったし、実習地で先生に評価されたって伝えたら、自分のことみたいに喜んでくれて、なんかこっちが泣きそうになった。
「「何がそうさせているのかな?」と、愚痴の奥を見てくれる先生」

O先生は、ウチが友達の愚痴を言った時も「何がそうさせているのかな?」って聞いてくる。自分を責めてるわけじゃないって伝わるから、本音で話しちゃう。3Dモデリングの授業とかも最先端で「これからはAIだよ」って教えてくれるから、将来のイメージが湧くわ!
「「RPGみたいに一つずつ攻略しよう」と、サボり癖を面白がってくれた」

サボり癖があった俺に、F先生は「RPGみたいに一つずつ攻略しよう」って面白がらせてくれた。先生に舐めた態度とると「やんなさい」って後ろから圧かけてくるけど(笑)、その後必ず国家資格のマンツーマン講座でフォローしてくれる。ツンデレだけど愛がある。
「進級制作で孤立してた僕に、組ませる相手とコンテストを示してくれた」

S先生は、進級制作で一人でプログラミングしていた僕に「この学生と組んでみな」と他の学生を紹介してくれました。ホラーゲーム作って人に遊んでもらった時の反応がマジで嬉しくて、「あ、ものづくりってこういうことか」って初めて分かった。サークル活動でも、僕が作ったホラーゲームをコンテストに出すよう後押ししてくれました。
「暇そうにしてた俺に、ワインディング大会を勧めてくれた現場上がりの先生」

S先生は、ワインディングサークルで俺が暇そうにしてたら「大会目指してみない?」って声をかけてくれた。普段はビシバシ厳しいけど、オープンキャンパスで一緒の時はニコニコ柔らかくて、現場の美容師時代の顔が見えてカッコいい。俺をやる気にさせるのがマジで上手い。
「将来どうやって稼ぐの?」と聞いてきた先生」

Y先生は実習中にいきなり「将来どうやって稼ぐの?」って聞いてきた。トレーナーの資格取って終わり、じゃないんだなって初めて思った。S先生自身も「俺もまだ勉強してる」って言って、休みの日に学会とかセミナー行ってるらしい。それ知って「あ、俺もずっと勉強し続けなきゃダメなんだ」って腹落ちした。
「プライベートな悩みも、嫌な顔せず聞いてくれた」

X先生は、友人関係のドロドロした悩みも、嫌な顔せずに真剣に聞いてくれます。先生自身もバスケサークルで汗を流して一緒にリフレッシュしてます。先生になら何を言っても大丈夫って思えます。
「「自分は自分に教わりたいかどうか」21年エステを続ける先生の言葉」

B先生の「自分は自分に教わりたいかどうか」って言葉、今でも頭に残ってる。エステって技術だけじゃなくて、お客さんが入ってきた瞬間の「空気」までデザインするんだって聞いて、ヤバ深いなって。授業終わりに「なんで21年も続けてるんですか?」って聞いたら、「人が好きだから」って即答されて、なんかその答え方が一番カッコよかった。
「「自立しなさい」と突き放してくれる、保育の現場感覚を体に染み込ませる先生」

S先生は、ウチらが「朝起きれなーい」ってグダグダ言ってても、何度もリマインドしてくれない。「自分でアラーム何個もかけてみ?」って一言だけ言って、あとは任される。最初は冷たいかと思ったけど、保育の現場って自分で判断する力が要るらしくて、今のうちから「自分でやる」を体に染み込ませてくれてるんだなって、後で気づきました。
※ 本ページに掲載のエピソードは、岩崎学園グループ7校の在校生・卒業生の声から、本人同意の上で掲載しています。学校名・先生のイニシャルは、個人特定を避けるため一部を変更しています。

4. 教職員の10の行動指針

この高度な教育システムを正しく機能させ、学生に安心感と挑戦への意欲を与えるために、岩崎学園のすべての教職員は、以下の10の行動指針を徹底しています。

1. 否定から入らず「共感」から
学生の意見や行動に対し、まずは背景を理解し共感することから始めます。心理的安全性を担保することが、すべての成長の土台です。
2.自分語りより傾聴を重視
教員の経験談を一方的に押し付けるのではなく、学生の言葉に耳を傾け、心の中にある想いや課題を引き出します。
3. 知ったかぶりはしない
変化の激しい時代において、教員も万能ではありません。分からないことは誠実に認め、学生と共に学ぶ姿勢を持ち続けます。
4. 考えを押し付けず共に考える
正解を安易に与えたり指示したりするのではなく、学生自身が思考し、答えにたどり着けるようファシリテートします。
5. できないと決めつけない
学生の可能性に限界を設けず、現在の習得度に関わらず「必ず成長できる」という信頼を原点に接します。
6. 自ら楽しみ好奇心を持つ
教職員自身が新しい技術や社会の変化を楽しみ、好奇心を持って行動することで、その熱量を学生へと伝播させます。
7. 関係職員と情報共有に努める
一人の学生を孤立させないため、学生カルテの入力や口頭での共有を徹底し、組織としてのサポート力を最大化します。
8. 公平性を重んじる
特定の学生に偏ることなく、すべての学生に対して公平かつ誠実に向き合い、適切な成長機会を提供します。
9. 学生の主体的活動に協力的である
課外活動や自主的なプロジェクトなど、学生が「やりたい」と手を挙げたことに対して、全力でリソースの提供やバックアップを行います。
10. 学生に合った目標を定め、プロセスを褒める
他者との比較ではなく、その学生自身のステップに合わせた目標を共に設定。結果のみならず、そこに至るまでの「払った労力(プロセス)」を承認します。

結びにかえて:すべては、学生の未来に再現性のある成長を届けるために

私たちがこれほどまでに「教育の科学」にこだわり、理論とシステムを徹底的に追求する理由、それは教育を「教員の個人の資質や熱意」だけという不確実なものに委ねたくないからです。

「熱意のある教員に当たれば成長できるが、そうでない場合はついていけない」――そのような属人的な教育は、学生の大切な未来を預かる教育機関としてあってはならないと考えています。誰一人の学生も置き去りにせず、入学したすべての学生が、自身の殻を破り、確実にステップアップしていける「再現性のある成長環境」をデザインすることこそが、私たちの社会的責任です。

最先端の脳科学やデータサイエンス、AIシステムは、教員の仕事を効率化するためのものではありません。むしろその逆です。テクノロジーと理論によって属人性を徹底的に排除するからこそ、教員は「目の前の学生の、データには表れないかすかな表情の変化」に気づき、最も適切なタイミングで、最も温かい言葉をかけることができるのです。岩崎学園のシステムは、教員の「寄り添う想い」を最大化させるための科学的バックボーンに他なりません。

100年の歴史の中で、私たちは数多くの学生の成長と挫折、そして社会での活躍を見つめてきました。その尊い経験という財産を、現代の確かなエビデンスで武装させたこの統合エコシステムを通じて、私たちはこれからも、すべての学生に豊かな成長の物語を届けてまいります。

岩崎学園は、保護者の皆様が安心して未来を託すことができ、高校の先生方が自信を持って生徒を送り出すことができ、そして企業の皆様が「ぜひ仲間に迎え入れたい」と心から望む、そんな自律性と楽しむ力に満ち溢れた人材を、これからも科学的に、そして情熱的に育み続けていきます。


【システム監修】

東京大学・大学院薬学系研究科 教授 池谷 裕二

日本が世界に誇る脳研究者の一人であり、岩崎学園総合教育アドバイザーとして本教育システムの監修を務める。専門分野は大脳生理学。とくに海馬の研究を通じて、脳の健康について探究している。著書に『海馬』『記憶力を強くする』『脳には妙なクセがある』などがある。脳の最先端の知見を老若男女、世界に向けて分かりやすく伝えている。「情報7daysニュースキャスター」(TBSテレビ)にコメンテーターとして出演中。

【教学責任者】

教育事業創造本部 本部長 伊藤泰宏

学校法人岩崎学園CDO(Chief Data Officer)・評議員。20年以上にわたり教育・学校マネジメントの現場で学生の成長に伴走。データサイエンスの専門家として学会・コミュニティでの研究・情報発信にも従事。現在は、100年の歴史を未来へつなぐため、脳科学・心理学・教育工学・データサイエンスを軸とした次世代教育システムの構築を主導している。


【参考文献・主要出典】

■ 基盤フレームワーク

  • 池谷 裕二, 上大岡 トメ (2008). 『のうだま――やる気を出す脳の秘密』 ポプラ社. (③ BERI)

■ 動機づけ・マインド・認知理論

  • Deci, E. L., & Ryan, R. M. (2000). “The ‘what’ and ‘why’ of goal pursuits: Human needs and the self-determination of behavior.” Psychological Inquiry, 11(4), 227-268. (① 自己決定理論)
  • Csikszentmihalyi, M. (1990). “Flow: The Psychology of Optimal Experience.” Harper & Row. (② フロー理論)
  • Rosenthal, R., & Jacobson, L. (1968). “Pygmalion in the classroom.” The Urban Review, 3(1), 16-20. (④ ローゼンタール効果)
  • Dunning, D., & Kruger, J. (1999). “Unskilled and unaware of it: How difficulties in recognizing one’s own incompetence lead to inflated self-assessments.” Journal of Personality and Social Psychology, 77(6), 1121-1134. (⑤ ダニング・クルーガー効果)

■ 認知・学習・経験の理論

  • Ebbinghaus, H. (1885). “Über das Gedächtnis: Untersuchungen zur experimentellen Psychologie.” Duncker & Humblot. (⑥ 忘却曲線と分散学習)
  • Murdock, B. B., Jr. (1962). “The serial position effect of free recall.” Journal of Experimental Psychology, 64(5), 482-488. (⑦ 初頭効果・終末効果)
  • National Training Laboratories (NTL). “The Learning Pyramid.” (⑧ ラーニングピラミッド)
  • Kolb, D. A. (1984). “Experiential learning: Experience as the source of learning and development.” Prentice-Hall. (⑨ 経験学習モデル)
  • Amabile, T., & Kramer, S. (2011). “The Progress Principle: Using Small Wins to Ignite Joy, Engagement, and Creativity at Work.” Harvard Business Review Press. (⑩ 進捗の法則・成長差分の可視化)

■ 評価・コミュニケーション・行動変容理論

  • Hovland, C. I., & Weiss, W. (1951). “The influence of source credibility on communication effectiveness.” Public Opinion Quarterly, 15(4), 635-650. (⑫ 情報源信頼性理論)
  • Deterding, S., Dixon, D., Khaled, R., & Nacke, L. (2011). “From game design elements to gamefulness: defining gamification.” In Proceedings of the 15th International Academic MindTrek Conference, 9-15. (⑬ ゲーミフィケーション)]