岩崎ミュージアム第418回企画展
吉田 直 展

「開かずの間Part.2 ‐Unopened Space Part.Ⅱ‐」

2018年6月6日(水)~7月1日(日)

「白に黒と赤」(寄木造り・着彩前) 「白に黒と赤」(寄木造り・着彩前) 「白に黒と赤」(寄木造り・着彩前) 「白に黒と赤」(寄木造り・着彩前) 「白に黒と赤」(寄木造り・着彩前)


「惚れて通えば千里も一里」


 今会期中ある県立高校にて講演を依頼されている。
高校時代...何もかも楽しかった。今に至る財産は良き友人達に恵まれた。
個展には毎回多くの友人に来てもらい感謝するばかりである。
後悔するのはもっと真摯に勉強と向かい合うべきだった。
当時はまだつっぱり世代の影響があって
少々斜に構えるぐらいが格好良いみたいな風潮があった。
若気の至り!
 
 その頃、彫刻家になろうとは夢にも思わなかった。
ただ芸術方面には関心があって、
数人の仲間と8㎜映画を作ったり、
自己流で油画を描いたりしていた。
三年生になって初めて美術予備校の夏期講習に参加。
私の教室(油画科)の課題が静物描写なのに対して隣の部屋はヌードデッサン。
私はちゃっかり紛れ込んでヌードを描きあげた。
この部屋こそ彫刻科の教室だったわけで人生、
どこにきっかけがあるか分からない。

 ひょんなことから飛び込んだ世界だが、
もっと彫刻を追求したい想いが尽きず今に至っている。
制作を天秤に例えると、
ある側面(要素)を上げれば反対にある側面は下がってしまう。
バランスの攻めぎあい、この調整に悩む。
更には毎回その天秤の支点を
前作より高い位置にもっていこうとしているから苦労が絶えない。
それなのに遅々とした歩みを止めないのは
「惚れて通えば千里も一里」
ということなのだろう。
後ろ向きの女性像の発表は二作目になる。
そこで展覧会名にPart 2と附記した。
少しでも研究成果が滲んでいれば幸いである。

 冒頭に記した背景から、高校時代を絡めた拙文を寄稿した。
高校生で既に将来の夢に向かって努力しているとしたら素晴らしいと思う。
反面まだあやふやでも焦る必要は無い。
新鮮な好奇心や感受性、
それらが”惚れる何か”にきっと引き会わせてくれるから。
...それにしても...また高校生の頃に戻りたいなぁ(笑)。


吉田 直




プロフィール

1969年横浜生まれ
1993年 東京造形大学彫刻家卒業
1995年 東京芸術大学大学院 美術研究科 保存修復技術彫刻専攻修了

1999年 個展 ギャラリー桂(東京銀座)
2000年 個展 岩崎ミュージアム(横浜・山手)
招待出展 TAMA VIVANT/多摩美術大学
トヨタコミュニティーアート/トヨタ自動車株式会社
2001年 大阪アートフェア(大阪・難波)
2002年 個展 岩崎ミュージアム(横浜・山手)
2003年 あさご芸術の森大賞展 【優秀賞・受賞】 (兵庫県・朝来市/あさご芸術の森美術館)
2005年 個展 アートスペース羅針盤(東京・京橋)
2006年 個展 岩崎ミュージアム(横浜・山手)
2008年 招待出展 TAMA VIVANT II/多摩美術大学
招待出展 CAFネビュラ展(埼玉県立近代美術館)
2009年 招待出展 第一回テレビ朝日アートフェア(六本木ヒルズ・テレビ朝日)
アクエリアス展/ギャラリー渓(東京・新宿)
2010年 個展 岩崎ミュージアム(横浜・山手)
個展 あさご芸術の森美術館 - 淀井敏夫記念館 - (兵庫県・朝来市)
2011年 個展 横浜トリエンナーレ2011連携プログラム(横浜・山手/岩崎ミュージアム)
2012年 特別展(招待出品) (横浜・山手/岩崎ミュージアム)
2013年 個展 (横浜/FEI ART MUSEUM)
2014年 個展 岩崎ミュージアム(横浜・山手)
個展 横浜画廊(横浜・元町)
2015年  第6回「 創造する伝統賞」 受賞
(公益財団法人 日本文化芸術財団)
所属団体 = 無所属。
ほとけの造形展(04 09 銀座/田中金属ギャラリー)等、

関連HP
吉田直の世界
岩崎ミュージアム